#005 エフェクター回路の入力部の考え方、構成
ヌマサワです。
前回#004では、エフェクター回路の中には、
ペダルボードのようにそれぞれ役割があって、
大まかにグループすることが出来る。ことをお話させていただきました。
今回から4回に分けて少し堀下げて、ギターの信号の流れに沿って、
各場所のお話をさせていただきたいと思います。
まずはじめにギターの信号が入力され、最初に通る
「入力部」についてお話させていただきます。
②バッファーをかける(※回路設計によります)
等の目的が多いです。
①エフェクトをかける下準備(インピーダンスの最適化など)
ペダルボードに限らず、音楽をやっていれば必ず一度は耳にする
「ハイ受けロー出し」という言葉があります。
(入力部はハイインピーダンスで受けて、出力部はローインピーダンスで出力するという意味)
ペダルボードを作成する際にも意識する部分で、
ちゃんと対策することで、ギターの信号をロスなく受け入れることが出来たり、ノイズ軽減につながるといった効果が期待できます。
※今回は回路のご説明なので、インピーダンスについては割愛します。笑
昔のエフェクターだと例外もあるようですが、
メーカーでインピーダンス値が公表されており、
大体、昨今のペダルでは歪系のエフェクターであれば入力インピーダンスが1MΩ前後(ハイインピーダンス)が多いような印象です。
さて、入力部に限らず回路の基本的な考え方としては、
それぞれのパーツを小さい単位まで分割して考えることで、個々のパーツの役割が見ていくということです。
例えば、ここがフィルタ回路なっているから、
もう少し高域を出すようにコンデンサの値を変えれば…
というように、
この辺り変えたらこんなサウンドになりそう。
みたいなイメージができるようになっていきます。
この考え方で回路図に向き合うだけで、既製品のModとかかなりできるんじゃないでしょうか。
では、早速先ほどの回路図を用いて、見ていきましょう。
先ほどの入力部をアップにして、細分化してめると…
入力部では、抵抗2個、コンデンサ1個が用いられていました。
これは2つのグループに分けることが出来ます。
役割をとしては
【A】が入力インピーダンスをおおむね決める抵抗です。
大体、多くのペダルで1MΩ-2.2MΩくらいまでが接続されていることが多いです。
2.2M以上でもサウンドの変化はありますが、
音が硬質な感じというか、細くなったり、あまり理想的な効果がないので、
実用的なのは2.2Mくらいまでかなと思います。
【B】の部分、ここが結構ポイントとなるのですが、
いわゆる
になっています。
ちなみに
RはRegister(抵抗) の略。
これで入力したギターからの信号を、
エフェクトの効果をかける前に微調整してあげて、
後にくる増幅部へ送り出しています。
ちなみに、このCRローパスフィルタと、
CRフィルターとかRCフィルターとかで検索していくと、
②バッファーをかける(※回路設計によります)
今回の回路では搭載していないのですが、
入力の最初にバッファー回路を通しているものがあります。
インピーダンスを変換(ギターのハイインピーダンスの信号を、ローインピーダンスに変換)することが出来き、信号そのものを強く劣化の少ない状態で増幅部まで音を届けることが出来ます。
ペダルの例を出すと、
Xotic社やBoss社製品をはじめ多数のメーカーで見られます。
個人的な見解としては、
例えばKlon社のCentaur等で用いられている
所謂「クリーンミックス」と言われる、
※これは、分岐することで生じる信号そのものが弱くなる現象を、バッファーの回路を通すことにより、軽減する為ではないかと。
以上で、入力部の説明は終わりです。
次回#006では増幅部のお話をさせていただきたいと思います。
##-----------------------------------------------------
■個人■
Twitter:@sneffect_blog
mail:sneffects@gmail.com
Youtube:https://www.youtube.com/channel/UChzULutgkkr6H6w84WaT_jw
■MetaSoundDesign■
Twitter:@SoundMeta
YouTube:※準備中
HP: ※準備中
##-----------------------------------------------------
#004 エフェクターの回路図の見方
こんにちは
ヌマサワです。
今回は、回路図の見方をお話させていただきたいと思います。
パーツを買うおススメな店や、
#002、#003でお話させていただきました。
僕が初めてエフェクターを作ろうと思った時、
あるエフェクターの音が少し物足りないというか、
理想とする音のイメージがあって、
とりあえず既製品のエフェクターだったので、
記号の読み方は調べたらすぐ分かりました。コンデンサ、抵抗 etc..
後はこれをいじって、理想の音に仕上げるようにすれば・・・
どのパーツがどんな役割を
果たしているか分からない!!!
どこを変えればいいか全然見当もつかないわけです。
調べてみると、
もうそうなったら、ひたすら試して探っていくしかない。
そんな訳で、とりあえず回路図を拾ったサイトから、
幸い、もともとハンダも、はんだ小手も持っていたので、
早速、秋葉原に行ってパーツとかユニバーサル基板を諸々買ってきて、ちょっとワクワクしながら、ハンダ作業を進めたわけです。
四苦八苦しながらも、やっとハンダ付け終わりいざ音だし!!
1回目だからまあいい音なわけないよね。なんて思ってたら、、
ここでまた問題。もう検証以前の話。音が出ない。笑
※結果的に音は何とか出せて、どこが原因だったとか、
色々経験談をお話ししていきたいと思いますが、今回は「
そんなこんなで、回路図の見方もろくに分からなかったので、
さて、ようやく本題ですが、
私が最も困った、回路図の見方が分かるようになるには通したら良いか。
色んなエフェクターの回路図を見ていると、
意外にA社とB社のペダルに共通点を見つけたり、
またはこの部分凝ってるな。と思う部分とか、
これは〇〇ペダルの、影響を受けているなとか、
もはや複雑でよくわからない。
でもね、基本は結構シンプルな話で、
早速、
(INはギターからの入力信号、OUTは次のエフェクターや、
ざっくりいうとこんな感じ。
ちなみに三角形のは、アナログIC(オペアンプ - Operational Amplifire)です。
※vintageのIbanez TS-9とかだと「艶あり」
ただこの回路図だけだとよく分からないですよね。
なんかパーツがいっぱいあるけど、
簡単に言うと回路の中でも、
役割別に示していくと、以下のような感じになります。
信号の流れで説明すると、INから入ってきたギター信号が、
「入力部」を通って、次にオペアンプを経由し、
「増幅部」で信号を増幅させます。(
「クリッピング部」で増幅させた信号の不要な周波数をカット(
「出力部」クリッピングすることで信号が弱くなるため、
OUTしていきます。
大まかにいうとこんな感じで分けることが出来ます。
ちなみに、増幅部、クリッピング部、出力部にある波線に「↓」
可変抵抗器、いわゆるポットを示しています。
具体的に名前でいうと・・・
増幅部にあるのが、「GAIN」
クリッピング部にあるのが「TONE」
出力部にあるものが「VOLUME」 となります。
次回は#005~#008から、
##-----------------------------------------------------
■個人■
Twitter:@sneffect_blog
mail:sneffects@gmail.com
Youtube:https://www.youtube.com/channel/UChzULutgkkr6H6w84WaT_jw
■MetaSoundDesign■
Twitter:@SoundMeta
YouTube:※準備中
HP: ※準備中
##-----------------------------------------------------
#003 エフェクターのオススメなパーツ屋と店頭で買わない理由。
こんにちは
ヌマサワです。
#002 エフェクターの作り方(買い方・回路図編)
こんにちは
ヌマサワです。
追々、回路設計とか掘り下げていきますが、
まずはエフェクターを作ることってどんな感じなのか、お話ししたいと思います。
さて、ここ10数年くらいでインターネットが目まぐるしく普及したことで、それこそスマホさえあればいつでも、
しかもたった数日で、欲しいパーツが世界中どこからでも入手出来るようになりました。
それまでは、秋葉原とか電気街に行かないと手に入らなかったものが、たった数クリックで手に入る。
パーツだけじゃない、回路図もそう。
好きなペダルのクローンを作りたいと思ったら、
これまでは人からペダルを借りてきて、いちいち自分で回路図に起こして…とかしなければならなかったけど、
今は名の知れてるメーカーのペダルなら、だいたい回路図がネット上に落ちてます。
パーツの注文も回路図などの情報収集も、
スマホ一つで移動中にだって出来ちゃいます。
僕も含め、昨今は個人ビルダーの方々が大勢いますが、
環境が整備されてるから、エフェクターを作るハードルはぐっと下がっているって事だと思うんです。
更に作り手の人数も増えて、ネット上に色んな情報が溢れているから、
原因を切り分けも、結構スムーズに出来ることが多いです。
必要なのは
住んでる場所でも、、
参考にするペダルを持っている知人でもなく、、
ただ作ってみようと行動力だけ!
素晴らしい時代です。笑
それに、例えば既製品で気になるところがあったとして、ささっとイジれるようになったら、もっと機材にも愛着が湧くし、何よりも音の探求に貪欲なギターリスト諸君には、
願ったり叶ったりなインフラが、既に整っているわけです。
これを使わない手はない!!笑
最初の一歩が重いけど、
一歩踏み出せば、動く歩道みたいなもので、かなり快適
※その後、最初のうちは音がおかしいとか、音が出ないとか。
色々と発狂しそうな、壁はあるんですけどね。笑
単純に難しそうだし、電気のこと全く分からないから出来る訳ない。っと感じることもあると思いますが…
歪み系とかはポイントだけ抑えれば、結構どうにかなります。笑
パーツを買うときに、都内近郊に住んでる方ならまずは秋葉原とかに行ってもいいと思います。
ただ、最初は信じられない数のパーツが並んでて、欲しいものを探すのも一苦労。
ましてや土日に行ったら、人も多いし行くだけで疲れます。
(僕が実際にそうでした。笑)
というわけで、
次回は、おすすめなパーツ屋(僕も実際に使ってる)ところをご紹介します。
#003 へ続く。
##-----------------------------------------------------
■個人■
Twitter:@sneffect_blog
mail:sneffects@gmail.com
Youtube:https://www.youtube.com/channel/UChzULutgkkr6H6w84WaT_jw
■MetaSoundDesign■
Twitter:@SoundMeta
YouTube:※準備中
HP:※準備中
##-----------------------------------------------------
#001 エフェクタービルダーのブログ
皆さん、はじめまして。